私のお仕事は納棺師です

私の名前は島田宣きこ(あきこ)
あなたはもし、愛する人が亡くなるとき、どういった言葉をかけてあげますか?
照手姫は小栗判官がいま、まさにこの世を去り、あの世に行くとき、「私もすぐに参ります」と言って声をかけました。
小栗判官もその言葉を聞いて安心してあの世に旅立ったのかもしれません。
自分が餓鬼アミの姿になってしまったとき、優しい声をかけ、温かい手をさしのべてくれた照手姫の温かい手に触れながらあの世に旅立つ。
現代社会はそういった「お別れ」をなくしてしまおうとしてませんか?
私は宗教のことはわかりませんが、十三仏さんがあの世に行くためのお導きをしてくれるそうです。最初に導いてくれるのは不動明王さん。亡くなった方、残された方の未練を断ち切り冥界へと引き込んでくれるのだそうです。
物語の中で小栗判官は毒を飲まされ、冥界で閻魔さまの前で十人の家来たちが「判官を助けてください」と嘆願したため、熊野の湯壺に入湯すれば助かる と夢のお告げがあり、皆の慈悲の心で熊野まで土車をひき、晴れて元の姿に戻った というお話です。現代、そういった昔ばなしも語られなくなり、必要ないものは削除。というネット社会のような世の中。お葬式も必要ない、お経も必要ない、そうなってきていると感じるのはわたしだけでしょうか。。今、ここで若者に、それでいいのだろうか?と、ゲームのように簡単に殺され、簡単に削除され、という世の中でいいのだろうか、、そんなことを思ってしまいました。